地震が起きた時に一番大事なことは、怪我をしないこと。そのために必要なことは、地震の影響で物が落ちない・倒れない・移動しないことです。これは、その後の避難経路の確保にもつながるので一石二鳥です。
この記事では、地震発生時に怪我をする理由をわかりやすく解説します。
地震発生時に怪我をする原因は?
地震発生時に怪我をする原因がわかっていれば、対処方法が明確になります。どのような原因が多いのかを把握する必要があります。なおここでは、総務省消防庁の発表をもとに記載しています。
1位 地震による家具等の転落落下 46%
圧倒的に多い理由がこれです。家具等の転倒と落下対策を行えば約半分の怪我は防げるのです。さらに加えるならば、家具の移動(※)対策も併せて行うことで、致命的な怪我も防ぐことが出来ます。想像をしにくいことですが、避難が不可能になる怪我を負うことは、命を失うことにもつながります。
(※)家具の移動とは、強い揺れや高層階の場合は、移動してしまうことがあります。重い物ほど運動エネルギーが大きいので人や物に衝突すると被害が大きくなります。
対策を行うことで、避難経路の確保や、避難前の火元の確認・ブレーカーを落とすなどの対処を行う上でも非常に重要です。怪我を避ける効果と併せて、家を守る・生活再建までの時期を早める効果も期待できます。防災の第一歩とも言える対策の一つです。
転倒対策の詳細はこちら⇨【ゼロから始める】耐震対策 家具が凶器に まずは転倒しないように対策しよう
2位 ガラス 29%
地震により窓・家具などのガラスが飛散し怪我を負うケースも多いようです。これも1位と同様に対策をすることで避難経路の確保につながります。飛散したガラスが体を傷つけるケースはもちろん、特に夜間は家具より見えにくいことが、足の怪我につながるケースも多いです。
地震による怪我の原因2つが75%を占めるが、防災対策を行う理由はまだある
2つの原因が多くを占めるということは、2つの対策を実施するだけで、1/4に減らすことが出来ることを表しています。 最後に、この対策の重要性が75%という数字より大きい理由を加えて紹介します。
今回使用した地震による怪我の原因2つは、様々な集計結果の一つにすぎない
他の集計結果では、怪我の原因2つが80%を超えるものも多くあります。発生した場所、時間、季節によって状況は変わります。
避難時の転倒も怪我の原因になる
普段見慣れた場所であっても、通勤・通学・買い物などで通行する際と、地震発災後に避難する時では、転倒の危険度が変わってきます。冷静に避難できるかが大きな違いになります。
想像してみてください。物が飛散し、ガラスが割れてやっとのことで避難する際と、最小限の被害で済んだ部屋から、必要な物を冷静に持ち出して避難した際の冷静さは比較するまでもないでしょう。さらに避難所に着いた後の心の消耗も全然違うと思います。人間は想定外のことが起こった際に、正確な判断ができなくなることもわかっています。(正常バイアス)荒れた部屋を見て、物事を過小に評価することで避難が遅れる可能性もあるのです。
あくまで怪我の原因を集計したもの
上記の集計には、死因が反映していません。あくまで怪我をした人の原因を集計しています。特に大きい地震になると、死因の多くに圧死や、出血性ショック死・焼死・火傷を原因とするものなどが上位に入ってきます。
しかし、死因については事後検証であり再現性がないので正確な集計をすることは不可能です。また、地震は異なる条件で発生するものなので、正確な集計をすることは無意味です。
異なる集計結果の傾向を見た人が、どう考え、どう判断するかが重要になります。
防災対策を行わない理由はありません
怪我や死亡にいたる多くの原因を占めている理由が判明した今、その対策を行わないことがわかったかと思います。
今日から地震で怪我をしない部屋にする対策を実施すべきですが、多くの人は明日以降から取り組むことになるでしょう。でもそれでいいと思います。確率の低いことに気を取られてQOLを下げるのはオススメできません。でも簡単にできることから順番に少しずつ進めてみませんか?もしくは簡単に出来ることは何かを私と一緒に学んでみませんか?
次の記事では、簡単に出来ることを紹介していきます。
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